2023年10月から2024年3月までアニメとして放送された「葬送のフリーレン」。
かなり人気があり、第2期もやってほしいと言う声も上がっていますが、逆に、どこが面白いの?という声もちらほら聞こえてきます。
今回は「葬送のフリーレン」の面白いところを8つ紹介していきます!
※あくまで個人的感想ですので、ご理解ください。
「葬送のフリーレン」面白い理由①他にないストーリー設定
「葬送のフリーレン」が面白いところの1つ目は、他にないストーリー設定です。
勇者たち一行が魔王を倒す旅と言えば、冒険物ストーリーの王道ですよね。
第1話では、フリーレンは勇者ヒンメル達と共に魔王を倒して、凱旋してきます。
通常の王道ストーリーならば、勇者ヒンメルが魔王を倒すために旅に出て、フリーレン達仲間と出会い、皆で魔王を打倒すると言うストーリー展開を想像します。
しかしながら、「葬送のフリーレン」は魔王を倒した後の話が主軸なのです。
勇者たち一行が魔王を倒した世界の話。
子どもの頃は、勇者たち一行が魔王を倒すまでの話に興味深々だった私たちは、魔王を倒した後の世界なんて想像したことはありませんでした。
でも、確かに。考えてみると、魔王を倒したら平和なのかな?その後、悪い人は出てこないのかな?
勇者物のストーリーで他に見たことのない展開であり、非常に斬新な作品です。
そして主人公は、長い時を生きるエルフであるフリーレンの目線で語られる、という点も面白いポイントです。
長寿のエルフだからこそ、勇者一行の一メンバーとして魔王を倒すまでの道筋、そしてその後に再びその道筋を辿る旅、という設定が沁みるのです。
「葬送のフリーレン」面白い理由②起伏が少ない
「葬送のフリーレン」が面白いところの2つ目は、あえて起伏が少ない点ではないでしょうか。
起伏が少ないというのは、二つの観点から言えます。
魔王を倒した後の話であるため、ハラハラどきどきの冒険物ストーリーとは違って、起伏が少ないストーリー展開になっています。
魔王の討伐後はある程度平和が保たれているため、バトルシーンがほとんどないからです。
ストーリーの起伏が少なくてつまらない!と言う声もありますが、勇者物ということで、バトルを期待して読まれると、確かに気抜けしてしまうのかもしれません。
もう一つの起伏が少ない点は、主人公であるフリーレンの感情が平坦であることです。
フリーレンは、もともと感情の起伏が乏しいエルフです。
作中で、フリーレン本人も「私たちエルフは長くは生きるけど、恋愛感情や生殖本能みたいなものが軒並み欠落しているからね」と言っているように、エルフという種族が持つ特徴のようです。
そんなフリーレンが初めて悲しみに包まれたのは、勇者ヒンメルが亡くなった時。
長い間知ろうと思わなかった人間について知るために、フリーレンは旅に出るのです。
そんなフリーレンの心の成長もまた、見どころの一つなのです。
「葬送のフリーレン」面白い理由③人間関係の描写
「葬送のフリーレン」が面白いところの3つ目は、人間関係の描写です。
上述した通り、長寿のエルフ族であるフリーレンは感情が薄く、他者や人間関係に関して気になりません。
しかし、ヒンメルを始めとする勇者パーティの仲間の影響によって変化が出てきます。
ヒンメルは旅中で、将来的に自分達仲間はフリーレンより先にあの世に逝くため、そうなることでフリーレンが孤独にならないようにしたいと考えていました。
そのため旅の道中、ヒンメル自身の銅像を作ってもらったり、フリーレンが後に寂しくならないように、彼女と向き合い会話を続けてきました。
フリーレンはヒンメルの没後、彼のことを知ろうとしなかった自身を後悔し、人間のことを知ろうと思うようになったのです。
その後、弟子をとりたがらなかったフリーレンがフェルンを弟子として迎え入れ、彼女との生活の描写もまた、ゆったりとした成長を感じさせます。
フェルンがへそ曲げた時にフリーレンがしょんぼりしたり、クソババアと言ってきたシュタルクのことを根に持ったり、フリーレンの人間らしい様子が微笑ましく感じます!
勇者一行の旅ではまだ感情が乏しかったフリーレンが、フェルンやシュタルクとの旅では、少しずつ人間らしさが滲み出て、感情を言葉や態度に出すようになっていく姿がとても染みる作品なのです。
「葬送のフリーレン」面白い理由④独特で繊細な世界観
「葬送のフリーレン」が面白いところの4つ目は、独特で繊細な世界観です。
上述の通り、「葬送のフリーレン」は一般的な勇者物とは一線異なる設定ではありますが、舞台はファンタジー溢れる魔法(が使える)国です。
かつ、魔王の没後とは言え、魔物や魔族の残党が普通にいる世界。
フリーレンが強烈に強いということもあり、ある程度出てくるバトルシーンでも不安は全くなく、あくまで平和のトーンが強いという独特な世界観があります。
魔法の国を旅していながら、ストーリー主軸はあくまで、登場人物の心理的成長や人間模様が深く描かれた繊細な作品だと思います。
「葬送のフリーレン」はそこのアンバランスさがとても面白い作品です。
「葬送のフリーレン」面白い理由⑤シュールなギャグ
「葬送のフリーレン」が面白いところの5つ目は、淡々としていて面白いセリフ回しです。
冒険物の漫画作品というと、もう少しキャラクターに熱量があって、メンバー間で揉めたり、叫んだり、熱く語り合うような「若さ」を感じるものが多いと思いますが、「葬送のフリーレン」ではそんな場面は一切ありません。
フリーレンやフェルンは感情を表に出さないので、冷静な口調で静かに会話するのですが、面白いセリフが多くて、そのシュールさが癖になります。
フリーレンの言葉に、フェルンやシュタルク、ザインなどの周囲のキャラ達が冷静にツッコむところもニヤけます。
メンバー間で全く揉めないわけでもないのですが、よくある口論ではなく、現実世界でもありえそうなモヤモヤした葛藤や心の機微が描かれているので、しんみりします。
その静かでシュールな掛け合いが、葬送のフリーレンの独特な魅力の一つなのだと思います。
「葬送のフリーレン」面白い理由⑥深い言葉
「葬送のフリーレン」が面白いところの2つ目は、度々見られる深い言葉です。
特に、フリーレンや(回想シーンの)ヒンメルの名言は心に染み入るものがあります。
長い時間を生きるエルフであるフリーレンだけに、含蓄ある言葉に注目です。
フリーレンもヒンメルもハイターも、皆の言葉が温かいんですよね。
すごく優しくて、温かい。
勇者物の漫画作品を読んでいて、こんな温かい気持ちになるのかな、という点が「葬送のフリーレン」の面白さなのだと思います。
バトルやアドベンチャーを期待して読み始めた方には物足りない、というより、思っていたのと違う感があるのだと思いますが、ヒューマンものが好きな方には是非おすすめしたい作品です。
「葬送のフリーレン」面白い理由⑦魅力的なキャラクター
「葬送のフリーレン」が面白いところの7つ目は、魅力的なキャラクターです。
現勇者パーティーのメンバーであるフェルン、シュタルク、ザインは勿論のこと、他にも魅力的な人物が沢山登場します。
旅途中パーティ一行は、エルフや人間の少女、男性、女性、老人など、多種多様の人々と出会いますが、たとえ、その場面にしか出てこない人達もまた、心温まる言葉を残しています。
現実世界でも、どこにでもいそうな人たちだけど、一人ひとりが信条を持っていて、完璧ではなくて、とても人間らしいのです。
「葬送のフリーレン」は、沢山の人間味溢れるキャラクター達の上で成り立っているストーリーなのです。
「葬送のフリーレン」面白い理由⑧旅の目的
「葬送のフリーレン」が面白いところの8つ目は、旅の目的です。
フリーレン達の最終目的地は、北側諸国に存在する魔王の城の付近にあるとされるオレオールです。
オレオールでは命を落とした者達の魂を呼び戻し、会話をすることが出来る場所とされています。
フリーレンはオレオールに到着すればヒンメルに会うでしょうし、フェルンはハイターに会うでしょうし、シュタルクの場合はアイゼンにこのことを伝えるだろうと想像できます。
フリーレンは、ヒンメルが死亡する時に「彼のことを理解しようとしなかった」と悔いていたので、またヒンメルと話がしたいのです。
フェルンは、育ての親であり感謝すべきハイターに、一級魔法使いになったことや旅の話をするでしょう。
「葬送のフリーレン」の素晴らしさは、その静かな終末をなんとなく想像出来ていながらも尚、寄り添っていきたいと思わせるところではないでしょうか。
フリーレンは、ヒンメルにどのように話すのだろう。
そこを知りたいですよね。
静かで美しい話。そんな魅力的な作品なのです。
「葬送のフリーレン」面白い理由8選まとめ
面白いと思う理由はそれぞれ。
あくまで私の見解なので、どうかご了承ください。
「葬送のフリーレン」は賛否両論の評価がありますが、勇者物という設定がある為、そこを期待して読まれる方は批判的なのかもしれません。
ヒューマンドラマとしては、とても素晴らしい作品だと思います!
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